投稿祭前日から超高速で曲を作って間に合わせる方法(藤原流)
前日のappyくんはライブという言わばボカロPにとっての団体戦の話を書いていましたので、自分は個人戦の話を書こうと思います。
この記事は、ボカロP Advent Calendar 2023の11日目の記事です。
前書き
どうも、ボカロPの藤原ハガネです。
ボカロPの皆様につきましては、昨今の投稿祭ブームの中で
「やばい!投稿祭が多すぎて間に合わない!」
「アイデアは思いついたけどあと一日しかない!」
などの悩みが尽きないかと思われます。
今回はそんな時に自分がどうにかして間に合わせてきた方法を書きます。
困っているボカロPの皆様の参考になれば良いです。
ちなみに今は2023/12/10 17:01です。やべー!!
※あくまで、マジで修羅場で間に合わない時にそれでも投稿したいという願いを叶える方法です。応援してくださっているリスナーの方たちのためにも普段からちゃんと締め切りを考えて十分なクオリティのものを作るようにしましょう。(自戒もあり)
目次
あくまで、マジで間に合わない時の間に合わせ方です。
ちゃんと時間がある時は時間と労力を掛けましょう。
- アイデアが浮かばない時はゾンビになる
- メロ、作詞、窓辺にて
- 調声
- Mix、マスタリングは……
- 動画!でかいぞ!
1.アイデアが浮かばない時はゾンビになる
自分の中でAメロ、Bメロ、サビごとに以下のテンプレを作っておきましょう
- よく使うリズム
- よく使う音色
- よく使う雰囲気
- よく使うコード進行のパターン
上記のように、自分がよく使う何かを把握しておけば
例えば何もアイデアが思いつかない時でも
哲学的ゾンビのように何も考えずフル尺のオケが先に作れます。
料理で例えるなら
オリーブオイルとニンニクをとりあえず炒めておけば
具がありあわせだろうとそれなりのイタリアンっぽいのが作れる
みたいな感じです。
このパターンでフル尺のオケから先に作った曲
自分のテンプレがまだわからないよ〜という場合は、
他の人の曲のリスペクト作品というのも手です。
界隈曲やごめんなさいシリーズに挑戦してみると、普段自分が考えてもいなかった
曲の作り方が学べるため、今後の勉強にもなります。
2.メロ、作詞、窓辺にて
メロ、浮かばね〜〜〜〜〜〜〜〜〜
歌詞、浮かばね〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな都合よく浮かぶものではないです。マジで
メロが浮かばない時は、お風呂に入ったり、気分転換に散歩をしたり
などがよく言われますが、そんな時間はない想定です。
そんな時のために、わざわざ1項で初っ端からオケを作りました。
作ったオケに合わせてとりあえず歌うなり鍵盤を弾くなりしましょう。
10ループくらいしてるとだんだん「あ、このメロしっくりくるな」と
段々メロの方向性が定まってきます。どこか1部ができればあとは流れでゴリゴリ仏像を削るように作っていきましょう!
歌詞に関してはタイトルから決めると格段に書きやすくなります。
例えば「いぬ、でかいいぬ」というタイトルの曲を書こう!と決めた場合
「犬がでかいと何が起こるのか?」「でかい犬の特徴とは?」など連想して
「でかい犬=維持費が高い=金持ちに飼われてる=いい肉が食える=羨ましい」
「金持ちが飼ってるでかい犬=白い毛がもふもふ」
「毛が白くてもふもふのでかい犬になってでかい肉を食いたい」!と考えることができます。
またこの時にリファレンス作品があると「この人っぽい歌詞ならこういうワードセンスで書く」と組み立てることができるのですごく書きやすくなります。
例:いぬ、でかいいぬはゆ◯ぴさんっぽい歌詞にしたいから、なんか日常ツイートみたいな言葉遣いにする
タイトルの決め方に関しては目に付くもの、ワードを適当に組み合わせたり、インターネットのランダムワード生成などを使用すると便利です。
そして、ここはクオリティを担保するプラスアルファの面になりますが、
歌詞は必ずメロディに合わせて歌いながら調整すると良いです。
歌っていて気持ちよくなるかを優先するのがベストです。
語尾の韻を踏むとか、サビ頭は母音がAかOがいいとか、覚えやすいキラーフレーズを繰り返すとか、細かいテクニックはありますが、歌ってみて気持ちいいを優先すると自ずとそれに近いものができるので一旦自分の感覚に任せましょう。修羅場なので。
そして、よく作詞について悩む人が多いのが、2番以降の歌詞です。
自分はストーリー仕立てで歌詞を書くことが多いのであまりないですが、
たまに2番の歌詞が思いつかない時は2通りの解決策を使います。
- 1番だけで終わらせる
- 1番の替え歌を作る
1.に関しては見たままですね。1番だけ、もしくは+ラスサビだけで終わらせるパターンです。
2.に関して、1番をコピペして、単語単位で書き換えていく方法です。
意味はとりあえず置いておき、同じ語呂の単語をもう無差別に思いつく限り置き換えていきます。
いくらか置き換えたあたりで「この単語はなんか違うな」となってくる単語があると思うので、その「なんか違うな」を修正していくといつの間にか方向性が一定の2番歌詞が出来上がっています。
3. 調声
ボカロPの皆さんは調声がマジで大変ということに同意していただけるかと思います。
歌い方というのは本当に千差万別で、自分らしい調声というのを追求しようとすると本当に大変です。
エディターの操作も大変です。
今回は投稿祭前日という設定ですのでこれも本当はマジで省略なんてスッゲー嫌ですが涙を飲んで省略していきます。
省略の方法としては以下があります
- ベタ打ちで出す
- ケロケロボイスにする
- AI系のボーカルを使用する
1. ベタ打ちで出す
これが一番簡単です。普段からベタ打ちという人なら全く問題ないです。
普段はちゃんと調声してますという人は、露骨にクオリティに響くのでおすすめはあまりしないです。
ですが、ベタ打ち特有ののっぺり感は子供が歌っているような特徴的な可愛らしさがあるので、実は初音ミク、flowerあたりのベタ打ちは童謡とかめちゃくちゃ合います。
曲作りの段階で童謡みたいな可愛い曲だった場合はベタ打ちで行くのも一つの手です。
また、UTAUを使用する場合はおま☆かせ機能を使用するという手もあります。
2.ケロケロボイスにする
エレクトロ系の曲の場合はケロケロボイスにすることでカッコよさ、雰囲気を担保することができます。
VOCALOID5以降のエディタではエディタ側の設定でケロケロボイスに自動ですることができます。
それ以外のエディタを使用していたり、やり方がわからない場合は以下のプラグインが使い方シンプルでおすすめです(フリー)
・KeroVee
3. AI系のボーカルを使用する
SynthesizerVやCeVIO AI、VOCALOID6にAIきりたんとAI系の音源もかなり増えた印象です。
これらに関してもそれなりに使う上で調声は必要ではありますが、修羅場の中でこれらのソフトはある程度ベタ打ちでもカッコよく歌い上げてくれます。
助けてもらいましょう。
また、VocalShifterというフリーソフトを使用すると、上記のAI系ボーカルのピッチ変化のみを他の音源に適用するという、昔あった「ぼかりす」みたいなことが可能です。
やり方はこちらを参考にしてください↓
SVテトさんのピッチ変化をV4Flowerに転写したサンプル
4. Mix、マスタリングは……
時間をかけるほど時間がかかります。
ふざけてないです。マジです。
Mixやマスタリングは時間をかけようと思ったらいくらでもかけられてしまう沼みたいな作業です。
マジでやると平気で3日とかかかってしまいます。投稿祭が終わってしまいます。
そのためには最初の編曲(オケを作る)段階からMixを意識して作りましょう。
あまり加工が必要な音は使わず、編曲段階で帯域のぶつかりや音圧を意識していれば、この段階では各楽器のフェーダ(音量)の調整とパン振り、本当に加工したい音の加工だけで終わります。
マスタリングに関しては、リミッター、マキシマイザーで音圧を上げ、EQで音を整える程度に抑えておきましょう。
悲しいですが、締め切りに間に合わないスケジュールを組んでしまったことを悔やむしかないのです。うう( ; ; )
ついに曲が完成しました。
5. 動画!でかいぞ!
実は大変、動画作成。
ベストはインターネットでフリーイラストを提供してくださっている方に使用させていただくことです。
一枚絵背景に歌詞表示。シンプルですが、それゆえ失敗がないです。
動画が完成したら投稿しましょう!!
6. 終わりに
何度も言いますが、あくまで、マジで時間がない時用です。
「絶対絶対、その他の全て削り取っても、自分の投稿を期待してくれている視聴者様をがっかりさせたくない!」
と言う気持ちの上で実行してください。悪用禁止です。
基本的には普段から応援していただいている視聴者様、
協力してくださる他のクリエイター様への感謝やリスペクトの気持ちを忘れないように、時間に余裕を持って作りましょう。